今回は2024年4月25日に発表がありました、アステラス製薬の2024年3月期の本決算内容について整理していきたいと思います。
過去の銘柄分析、決算分析は以下の通りです。
本決算の前4月12日に、「2023年度第4四半期において無形資産の減損損失および条件付対価に関わる公正価値変動額等をその他の費用に約700億円計上する見込み」といった速報が出され、以下のように本決算の予想を下方修正しました。
予想の純利益が580億円→30億円となってしまい、遂に創業から配当金の減配が無かったアステラス製薬が減配となってしまうか注目となっていました。
昨年は決算を出すたびに利益予想が下方修正され、どんどん株価も下がっている中、どんな本決算となったのか、解説していきたいと思います。
- 日本株の高配当投資に興味がある人
- アステラス製薬の投資を検証している人
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本決算内容
アステラス製薬は4-3月締めですので、今回の決算は2024年3月期の本決算です。
その内容は売上高が1兆6,037億円(前期は1兆5,186億円、+5.6%)、純利益は170億円(前期は987億円、-82.7%)の結果でした。
売上高は前期を上回りましたが、連結最終利益は前期を大きく下回りました。4月12日に修正した値から達成率568.2%で上回ったとありますが、微妙です。(第3四半期決算では580億円予想でした)
第2四半期決算で報告されたIveric Bio社買収の影響、第3四半期で発表された主要製品VEOZAHの不振の影響、4月12日に発表された内容の影響等で純利益が大きく下がっています。
通期業績予想
続いて通期業績予想についてです。
売上高は1兆6,500億円(前期比+2.9%)、純利益は300億円(前期比+76%)と増収増益を予想しております。
また、製薬業界がよく使うコアベース業績は定義を今期から変更するようです。背景はIveric Bio社買収に伴い従来の定義では収益力を適切に表すことが困難となったことによるもののようです。
従来の調整項目に加え、「無形資産償却費」、「無形資産譲渡益」、「持分法による投資損益」を新たな調整項目として除外となります。
そして、新たな定義のコアベースでの業績予想は以下の通りです。コア当期利益は24年3月期より下回る予想となってますね。
配当金等
気になる配当金については、減配が心配された中、決算では「2024年度以降の利益成長を見据え、一株当たり配当金は4円増配の74円を予想」。
まさかの今期は増配予想となりました。
前期は予想通り70円/株です。
創設されてから減配は実施していないので、そう簡単には減配には至らないと思ってましたが、まさか増配とは。。。
しかし、下図のように配当性向は2024年3月期の実績は736.4%、2025年3月期は442.3%といずれも100%超えの状態です。
100%超えで大丈夫なのか?と心配になるところですが、製薬業界はコアベースでの利益で株主還元等を決めているようですので、他の業界との比較が難しいです。
株価等
決算を受け、株価は4月25日終値1,455円→4月26日始値1,482円で終値1,506円と上昇しました。
その後も少しずつ上昇を続けています。
やはり予想外の増配が効いていると思われます。
各指標は以下の通りです。
PER(会社予想) | 93.13倍 |
PBR(実績) | 1.75倍 |
1株配当(25/3予想) | 74円 |
予想配当利回り | 4.75% |
配当性向(25/3予想) | 442.3% |
4月12日に発表した下方修正のタイミングが底値となって今のところは反発しております。
今後どうなるかは各決算での結果次第になると思います。
まとめ
アステラス製薬についての2024年3月期本決算内容を整理しました。
- 売上高は前年比から上昇したが、純利益は前年比から大幅減少
- 通期業績予想は売上高、純利益ともに増収増益予想
- 配当金は74円/株と増配予定
決算の内容はあまり良くなかったのですが、増配がサプライズでした。
株価は、主力薬であるイクスタンジの特許切れ後の新薬開発への懸念影響からしばらく低迷していますが、今回の増配発表で少し持ち直している状態です。
僕自身は、この下落時にちょくちょく買い増しをしたため、ポートフォリオバランスの観点から少し様子見をしていきたいと思います。
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