今回は、電気の卸売会社である電源開発株式会社(J-POWER)についての銘柄分析をまとめていきます。
J-POWERは、1952年に電力不足を克服するために国の政策によって設立され、2004年に完全民営化を果たしています。全国各地の水力発電所、火力発電所、地熱発電所、風力発電所等で作った電気を全国の電力会社等へ販売しています。
東京電力等の電力会社が顧客になるわけですね。
発電、送配電を行う企業です。
設立後、大規模水力発電所をつくり、石油危機時には国内初の石炭火力発電を開始し、日本の電力危機を救ってきた会社です。
発電能力は東北電力に匹敵する規模となっています。
これだけの規模ですが、電力会社と比較するとあまり知られていない会社ですよね。
日本の電力を支えている会社であり、直近は株価が低迷していることもあり高配当株水準となっている当社の銘柄分析を実施したいと思います。
- 日本株の高配当投資に興味がある人
- J-POWERの投資を検証している人
直近の決算
1.2023年3月期
2023年5月10日に発表された、2023年3月期本決算では、売上高は前年比69.8%増の1兆8,419億円、純利益は同63.1%増の1,136億円で増収増益で共に上場以来過去最高となりました。
販売電力量は下がったものの、電力販売価格と石炭販売価格の上昇したことにより売上、利益は増収・増益となりました。
石炭の価格が爆上がりした影響が大きいようです。
2.2024年3月期予想
同時に発表された、2024年3月期予想は、売上高は前年比17.9%減の1兆5,130億円、純利益は同33.2%減の760億円と共に減額の見込みです。
減額要因は電力販売価格、石炭販売価格の低価影響です。
エネルギー事業関連はやはり、資源価格に大きく影響されてしまいます。
売上高・最終利益推移
上図は2015年からの売上高と最終利益推移です。
売上高は順調に上がってきていますね。
最終利益については2021年は大きく減益になったものの、その後は回復し、24年は前述したとおり、若干の減額を見込んでおります。
配当金推移
2007年3月期からの配当金推移を上記グラフに記載します。
ご覧の通り、リーマンショック、東日本大震災、コロナウイルスの時にも減配はしていません。
非常に心強いですね。
一方、配当性向の推移は以下の通りです。
23年3月期の配当性向は14.5%で還元にはまだ余裕があります。
会社としての配当に対する考えは、会社ホームページで以下のように掲げられています。
「短期的な利益変動要因を除いて連結配当性向30%程度を目安に」とあります。
2023年3月期は配当性向としてもまだまだ余裕がありますし、2024年3月期も余裕が見られる予想になっていることから、安定した配当は期待できそうです。
株価推移
2018年後半からの株価推移ですが、コロナ渦になった2020年からは低迷し、その後の利益回復により株価は上昇し、直近1年間は2,000円~2,200円のレンジ推移にあります。
コロナ前の値まで回復には至っておらず、少し停滞気味です。
基礎情報
基礎情報については以下の通りです。
PER(会社予想) | 5.20倍 |
PBR(実績) | 0.36倍 |
1株配当(24/3予想) | 90円 |
予想配当利回り | 4.16% |
配当性向(24/3予想) | 21.7% |
予想配当利回りは4.16%です。
株価はコロナ前まで回復していないものの、配当金はしっかり増額されているため高配当になっていますね。
PER、PBR共に割安水準です。
PBRについては、今流行りの低PBR銘柄の水準ですね。
事業内容
先述した通り、発電を行い東京電力等の電力会社に電力を販売するのが主な事業です。
海外でも発電事業をおこなっており、全体の約30%の発電設備を海外にもっております。
エネルギー源は石炭、水力が中心ですが、風力にも力を入れております。
風力に関しては国内第2位の規模となっています。まだ建設中のところもあり、これからも伸びることが期待できます。
カーボンニュートラルが潮流ですが、いきなり石炭火力をやめると社会が成り立たなくなるため、徐々に減らしていくことになるでしょう。
再生可能エネルギーの開発が今後のキーになりそうです。
まとめ
J-POWERについての銘柄分析を整理しました。
- 決算:23年3月期は売上高・純利益は過去最高を記録し、24年3月期は減額予想も引き続き高水準
- 株主還元:配当性向30%を目途としており、まだ余裕があり高配当
- 株価:直近は2,000円~2,200円で停滞
- 事業内容:電気の卸売りを行っており、今後は再生エネルギーへのシフト
これまでの点を踏まえてのJ-POWERへの投資判断です。
株価推移から現時点は結構割安であると思われること、かつ今後の配当も期待できることから、この記事を書いている最中の2,153円で100株を購入しました。
今後も積み増しを検討したいと思っています。
僕は、日本株の個別投資、投資信託の一部は「楽天証券」、米国株、積立NISAは「SBI証券」を使用しています。
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本記事は、自分自身の銘柄調査の一環として行った内容で、投資判断についても記述されていますが、投資を推奨するものではありません。
投資をする際は、最新の情報を調べた上で、自己責任で投資判断するようにお願いします。